雲外蒼天~特別支援教育とアクティブラーニング

雲外蒼天~特別支援教育とアクティブラーニング~

実践や経験をストーリーで語ってリフレクションし、自分の強みを探り、それと自分の考え方などを関連させながら次の一手を打つためのブログ

保育参観

 

これ、自分で書いたの?

先日、次男が保育園から、上の習字を持って帰ってきた。

保育園には、定期的に習字の日というものがあって、ゲストティーチャー(GT)が習字を教えてくれるのだ。

ジャム「上手やねぇ、これ、次男が書いたの?」

次男「うん、一人で書いた。」

 

一人で?本当???

そんなこと言っているが、清書の時に、先生が後ろから筆を持って一緒に書いたのだろう。そう思っていた。

 

そして、保育参観で種明かし

先日、次男の保育参観があった。

参観は習字だという。その学習を参観に行った。

保育室に入ると、子どもたちは、自分で習字の準備をしている。

(へぇ、自分たちで準備するんやね。)

準備が終わると、次男が保育室から出て、どこかに行った。

担任「あ、全員の準備が終わったので、GTを呼びに行ったんですよ。」

なるほど、他の子どもたちは、静かに座って待っていた。

 

程なくして、GTがやって来た。70代くらいの女性の方だ。

静かだ、しかし、GTが前に立つと空気が変わった。

 

徐に、そして、ゆっくりと、GTが保護者に向けて口を開いた。

GT「みなさん、先日、お子様が習字を持って帰ってきたでしょ。あれ、とても上手でしたよね。でも、本当は習字の先生が一緒に書いたんじゃないかって思いませんでしたか。あれ、本当に、子どもたちが自分で書いたんですよ。今日は、それをお見せしたいと思います。」

 

保護者の心を見透かしたかのような言葉に、思わず頷く。

GT「・・・では、始めましょうか。」

 

驚いた。本当に、みんな自分で書いているのだ。

 

備忘録

撮影が許されなかったので、以下、私の備考録としてメモを残す。整理されていません。あくまで自分用です。

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GTのインストラクション10分弱

子供の活動20分

 

インストラクション及び子供の活動中にGTのデモンストレーションは一度も無い。

いわゆる文字による板書のようなものはない。

予め、半紙には折り目、(3×2)×4、そして、名前部分を別に折ってある。

前方に半紙の拡大あり

拡大半紙の左上のマスに朱書きで×の字

インストラクションで話すのは、1文字目の始筆の位置の確認、そして、勇気づけ。しっとりした雰囲気です。

 

子供が自分で評価できるように評価規準を視覚、聴覚、動作で分かるようにしている。

海に筆先を浸す

陸で筆先を整えて、筆をおく

お手本の下から折ってある半紙を出して、下敷きの上に置く

下敷きを下にずらす。(下から二番目の線が見えるまで)

(筆に)とんがっていますか

(筆に)神様は乗っていますか

(筆に)準備は良いですか

 

左右の人差し指で始筆と送筆の途中か終筆までを押さえる。(直線と左払い。必ずしも終筆では無い)

左の人差し指、右の人差し指と親指の三点で位置を押さえる(折れ)

一文字目

長靴

ぎゅっ

つま先立ち

戻して、一休み

ひゅっ(変身ポーズのよう)

とんとん、左手、あげる。

二度書きを認める。(練習だから?)

始筆の筆の向きは人差し指(10時か11時)で、書き終わったら始筆の形を見て子どもに評価させる。

にじみ、太さ、横画の角度を同様に、書いたものを見て評価させる。

相互評価はない。自己評価、GTとの評価のみ

書き終わったら、すぐに半分に折って紙挟みに挟む

子どもが困っているときのみ、GTが後ろから筆を持って一緒に書くが、その後、必ず「やってみて」と言って自分でさせて、できたことを認める。

直して欲しい箇所を指摘するときは、出来ている部分を必ず認める。

大声で怒らない。しかし、間違いは正す。

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説明が簡潔、評価規準は具体的

インストラクションでは「困りそうなポイントはここだよ、だからこうするんだよ」としていない。一画一画が具体的な動作目標になっているので、自己評価しやすい。

横画を少し斜めに書く場合の空間認知のさせ方、左払いの動作化、焦って書かないための動作を止める言葉など、苦手に感じそうな部分に具体的な目標があり、子供が苦手さを感じずに達成感がある。

GTが子供に教えるときは、「もっと良くするには」という姿勢があり、結果、子供が納得する。

 

次男は、習字を通して、学び方や人とのかかわり方を学んでいるんだなと思った。