雲外蒼天~特別支援教育とアクティブラーニング

雲外蒼天~特別支援教育とアクティブラーニング~

実践や経験をストーリーで語ってリフレクションし、自分の強みを探り、それと自分の考え方などを関連させながら次の一手を打つためのブログ

自ら学ぶ姿勢を身につけるために必要なこと

 

算数のテストの返却日、結果は・・・

レモくんは、算数の学習を交流学級で行うようになって2週間が経ちました。

tomakejam.hatenablog.com

 

そして、今日は、分数のかけ算わり算のテストの返却日でした。

結果は・・・、

 

なんと、表90点、裏40点。

計130点!!(到達度87%)

 

凄い!レモくんは、結果を出しました。

 

納得するかどうかは、レモくんが決めること

私は、大喜び!

思わず記念撮影。レモくんは笑顔になりました。

しかし、それも一時で、レモくんの表情は残念そうです。

レモ「うーん、ここを間違えてしまった。」

実は、レモくんはテストの日、交流学級からジャム学級に帰ってくると、「満点の自信がある!」と会心の笑みを浮かべていました。

つまり、この結果に納得していないのです。

しかし、だからこそ、レモくんは結果を出せたのでしょう。

レモくんは、分かったふりをしない。

説明を聞いて、分からなかったら納得がいくまで、教えてもらっています。また、分からない子がいたら、自分の言葉で何とか説明をします。

次の立体のテストも頑張るぞと、意気込みを見せていました。

 

そして、仲間に影響を与える

レモくんのテストを見て、「すごいね」と言ったモモさん。

しかし、モモさんの表情は優れません。

モモさんはレモくんの姿に影響を受けて、立体の学習から交流学級で授業を受けています。立体については、モモさんの方が、レモくんよりも学習が進んでいました。

モモさんは、説明することにあまり自信を持っていません。

しかし、レモくんは、立体の学習で分からないことがあると、モモさんに「教えて」と聞くのです。すると、モモさんが、レモくんに問題の解き方を教えます。ここでも、納得するまで教えてもらうレモくん効果が表れていました。

しかし、レモくんの分数のテストの結果を見て、

(わたしは大丈夫かな・・)

と思ったのかもしれません。

でも、モモさんも納得がいくまで頑張る人です。ここ最近、自学ノートにはずっと立体の学習をしてきています。昨日はノート見開き2ページもしてきていました。その頑張りは社会でも同じで、その姿勢が、今度はリンくんにいい影響を与えています。

 

なぜ、自ら学ぶようになったのか

彼らは、交流学級で授業を受けることで、学ぶようになったわけではありません。学ぶ姿勢が身についてから、交流学級で学習を受けるようになったので、結果が出てきたのです。

では、どうやって学ぶ姿勢が身についたのか。

それは、ジャム学級での生活は、常に「全員が納得する」を目指しているからです。そのためにできることを自分たちで考えて行動するように、私は目標を設定し、子どもたちに語り続けました。その結果、

算数や国語なら、ジャム学級6人全員が分かるように、分からない人に教え方を考えて話しかけたり、分からないところを聞いたりします。納得するためなら、辞典やiPadやパソコンなど方法は自分で考えて使います。(もちろん、一人で解くもOKです。)

生活単元なら、幼稚園の子全員が独楽を回せるように、自分たちがまず、回せるように練習し、回し方のコツを自分たちで考えて、園児にアドバイスします。

自分が作りたい料理のアドバイスをアンケートし作ってみたり、ミシンで一年生のために雑巾を縫ってみたり、下級生のプリントの丸付けを間違えずにする方法を考えて丸付けしたり、幼稚園や小学校の掲示板作りや花壇の整備をしたりします。パソコンで自分たちが作った劇の台本を打ったりします。

体育なら、全員がサッカーを楽しめるように下級生にスローインをさせたり、シュートをさせたり子どもたちが方法を考えてゲームをします。学校の外を走りながら、周囲の景色を眺めたり、ブランコやシーソー、ジャングルジムに怖がらずにみんなで乗れるように応援したりします。

生活場面なら、全員がそうじをすみずみまでできているか、宿題のやり直しが終わったか、名札などのつけ忘れがないか等をみんなでチェックして、できるようにそれぞれが声をかけています。

このようにして、4月から、全員で学び合うことを学んできたのです。

学ぶ姿勢はずっと残ります。例え、学習内容を忘れてしまっても、学ぶ姿勢を失わなければまた取り戻せます。その時に、お互いが納得し合える仲間がいることが、とても大切です。学ぶには仲間が必要なのです。