雲外蒼天~特別支援教育とアクティブラーニング

雲外蒼天~特別支援教育とアクティブラーニング~

実践や経験をストーリーで語ってリフレクションし、自分の強みを探り、それと自分の考え方などを関連させながら次の一手を打つためのブログ

人の役に立とうプロジェクト

ジャム学級は特別支援学級です。
支援学級の中だけでは、多様なかかわりはありません。子どものたちの将来を考えると、もっと、多様なかかわりをもたせたいと思っています。そこで、人の役に立つことをするという目的で、週一回、近くの幼稚園に訪問しています。名付けて、人の役に立とうプロジェクト!
 
といっても、園児と協働的に活動することはあまりなく、園の仕事を請け負っています。その日の仕事は、園庭にある、外遊び用のおもちゃを洗うことでした。子どもたちは、時間と仕事内容を園の先生から確認すると、手際よく分担し、作業を始めました。一学期からやっているプロジェクトです。あまり、一緒に活動していなくても毎週やってくるので、それを楽しみに待っていて、あいさつしてくれる園児もいます。
 
園の先生方もこちらのねらいを理解してくれていて
「凄いねぇ、手際がいいねえ」
と子どもたちを即時強化したり、
「見て、おもちゃを洗ってくれているよ」
と園児につぶやいてくれたりします。
 
すると、園児の一人が子どもたちのところにやってきて
「おもちゃを洗ってくれてありがとうございました」
と言いました。
それを聞いたのか、一人、また一人とやってきて、
お礼を言ってくれるのです。園児たちが主体的に感謝の気持ちを伝えにきたのはこの日が初めてでした。
そして、次の週。
この日、幼稚園は運動会の練習をしていました。園の先生に
「運動会の練習を見学して、園児たちに感想を言って欲しい」
と言われました。
子どもたちには苦手な分野でした。でも、園児たちのために必死に良いところを探して何とか伝えていました。
その後、「植木鉢を運んで欲しい」と言われた子どもたちは、それを運ぼうとしました。しかし、植木鉢は予想以上に重く、子どもたちはフラフラしていました。
その時、運動会の練習をしていた子どもたちが、突然「手伝う!」と言って駆け寄ってきたのです!みんなで持ち上げ、一緒に植木鉢を運びました。その結果、いつもより10分早く仕事が終わりました。
「今日の仕事は終わったから、たまには、早く学校に帰ってもいいよ」
と言われると、子どもたちは
「園児たちと遊びたい!」
 
そして、10分間、園児たちと園庭で砂遊びや平均台などをして遊び、帰りました。
 無理矢理、グループを作ってかかわらせることだってできます。しかし、子どもたちには、自分から人とのかかわりをつくる経験をしてほしいと思っています。それぞれが別の活動をしていても、学び合えると思います。それを尊重して一緒に取り組んで頂ける幼稚園に本当に感謝しています。